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2013年1月28日月曜日

職安事情

ずいぶん前の話になるが、職安に行った。

失業手当を申請するためだ。

フランスの雇用契約形態は主に
CDI: Contrat à durée indéterminée(無期契約)
CDD: Contrat à durée déterminée(有期契約)
に分類される。
会社規定により様々ではあるが、一般的に1ヶ月〜6ヶ月程度の試用期間の後CDIとして働いたり、最初から産休代理など期間限定のCDDとして契約する。

いずれにせよ会社を辞めた場合次の職場が決まっていればそのまま次へ行くのだが決まっていない場合は失業手当を申請する為に職安(pôle emploi)にいくべきである。
CDDとして期間終了して失業という場合、CDIとして契約したが解雇された場合、CDIとして契約したが一身上の都合で退社した場合、またその働いていた期間等々で失業保険の金額や払われる期間など変わってくる。その為にまず各種書類を揃えて
職安に予約とり、指定された日時に出向いて面談を受ける必要がある。
※おそらく日本も同じだったと思うが。

私の場合は、CDIとして契約、一身上の都合で退社した為、保険金額や期間は少ないと予想。

失業率の高いフランス。職安の面談予約はおよそ1ヶ月先。
インターネットで予約を取りその後封書にて記入用紙等が送られてくるので記入漏れないよう当日までに用意する。

面談当日、職安からの書類と勤め先に辞めるときもらった書類などをすべて用意して
(雇用主のサインなど必要な箇所あり)指定された職安に行く。



想像通り混んでおり、受付にも長い列。警察などの役所関連はどこも大抵同じような混み方をするので前もって早めに到着しておくべきだ。
そして、やっぱり、というのは言い方が悪いけどアフリカ系の人が7、8割の感じ。
だからなのか受付の列がなかなか進まない。彼らは書類が足りないのに受付でごねる。ワーワーギャーギャー。こういう場面を何度も見ているからもう慣れた。

アジア人はほぼ皆無。ましてや日本人はゼロ

受付を済ませ待ち合いスペースでしばらく待つと担当者に名前が呼ばれるので個室へ移動。

挨拶もそこそこに、担当者は淡々と情報をPCに入力して行く。
一通り入力がすむと、次の仕事の探し方のレクチャー。
やりたい職種、日本でやっていた仕事からも遡って可能性を追求する。
そして職安に求人が来ているところの情報をピックアップしてくれる。
もちろん、こちらの持っているスキルと相手側の求めている人材の条件がはまったところだけのピックアップなので数少ないのだが、、。

そして担当者から、職業訓練制度に参加することもできるとのこと。
登録者が見られる職安サイトの中に職業訓練の項目があり、PCスキルの向上から、経理、管理など事務的なものから、食に関連するものまで様々ある。
職安主催のものであればもちろん無料で受けられる。
さらにすごいのは、民間のスクーリングなどでも見積もりをもらってくれば、その金額によって無料もしくは補助が受けられるというのだ。

さらにさらに、失業者カードという情報を入力してある紙切れがもらえるのだが、それを提示することによって、公共の施設が無料で使えるのだ。
私の場合はパリ市の登録なので、例えば市営プールとか、一部美術館、博物館などなどが無料もしくは割引価格で利用できるということだ。

毎月毎月給料から差し引かれていた失業保険や税金の類い。高っいなーと思っていたが、こういうことに役立てられているならそれは多いにケッコウ。
今のうちにたくさん利用しようと思っていたら1ヶ月もたたずに働くことになった。
あー。失業保険貰う前に。。。


フランスの失業率が高いのは、就職口が少ないというのもあるのだが、
実は、こういった失業者を保護するシステムも一因しているかもしれない。
失業保険も、長期間働いていた、しかも役職付きの人が辞めた場合はかなり多くの金額が長期間にわたって支給されるわけだし。会社を辞めたら2年間のバカンス。と思っている人結構いるのかもしれない。



















2 件のコメント:

  1. ぬくたんママ2013年1月29日 8:07

    へ~。国が違うと色々と違うものだよね~。
    日本では今、生活保護の支給金額についてモメている。
    働けるのに働かないで不正に受給している人も多いみたいだし。本当に必要な人のところにいかないで、ズルしている人のところにお金がいってしまうのは、もちろん良くない。
    ちゃんとしたシステムが成立してくれたらいいけど、
    なかなか難しい問題だよね。日本の年金も!

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    1. 職安のシステムはどこの国もさほど変わってることもないんだと思うけど、受けられる社会保障はずいぶん違うよね。北欧や西欧諸国は毎月の税金、保険などかなり高いけどその分目に見えるような、誰でも恩恵が受けられるシステムになっている。
      日本の生活保護の不正受給のニュースはインターネットでもしばしば話題で賑わっていたよね。
      「生活保護もらって派手な生活」ってことばも聞き覚えがあるから、昔からその風潮はあったんだと思う。今になって露呈しただけのことだね。

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