ページビューの合計

2012年10月5日金曜日

喫茶店事情

言わずもがな、フランスには数多くのカフェと呼ばれる喫茶店がある。
1960年代には200,000件もあったカフェは今36,000件にまで減少している。

飲み物スタンドだけのカフェ、tabac(タバコ屋兼)のカフェ、レストランと見紛う高級なカフェ、さらに最近ではインターネットカフェは当たり前、マンガカフェもパリには存在している。

先日、博物館めぐりの最中に昼食をカフェでとることにした。
カフェやレストランなどの飲食店が密集しているエリアで、めぼしい所を探す。
個人的な勘では、午後13時過ぎにほぼ満席に近い状態の店は良好なことが多い。

そこそこ混んでいる店に目が止まった。メニューボードには

Plat du jour: Confit de Canard 10€
今日の定食:鴨のコンフィ 

カフェで食事をする場合、定食を頼むのが一番。なぜなら注文が多く入る分、仕込みも多いし早く出る確率が高い。


出てきたのはこちら。
定番はサラダといもの付け合わせ



ぬ。ぬ。ぬるい。。肉がぬるい。。



本来ならレンジで温めてと店員にお願いするのだが、
混んでいる上、女性店員さんが一人でフロアの切り盛りをしていて
頼んだ所でまた時間がかかるのが予想されたので諦めた。


自宅近くのよく行く店では鴨のコンフィは定番メニューで、9€50。
熱々だし、皮はパリッと焼かれていて、サラダはもっとふんわり。
揚げ芋はハーブがかかっている。


久々に痛恨のミス。
普段行かないところでごはん処を探すのは困難を極める



一人めしだったので周りを観察すると、向いのテーブルに4人組のアメリカ人観光客。4人そろってスープを注文した。


汗ばむほどの暑さはないが、半袖でも大丈夫な気候。
メニューには「オニオングラタンスープ」が書かれていた。


私は、ふと、

オニグラって秋から冬のメニューじゃ??と思った。


観光客がたくさん来る地域であれば
物見遊山で名物料理、そんなに高くないオニグラでも食してみるか。

という人も多いのかもしれない。




案の定、店も混んでいるしそのメニューを頼む人は皆無なのでずいぶん待たされていた。
しびれを切らして、一人が

スープはまだですか?
と店員に聞くと、もうちょっと、あと2分。。

しかし、実際よく考えてみると、スープが仕込んであればそのまま器にそそいでだせるはず。


この展開どうなる?と思って、見ていると

カフェカウンターのバーテンが、スープの器らしきものを人数分用意して、
コーヒーマシーンの横にある熱湯の出る吸水口に器を持ってきたかと思うと
お湯を入れ始めた。

最初意味がわからなかったが、ひらめいた。

インスタントスープの素をお湯で溶いているのだ


私からはその作業は丸見えで、しかし、その観光客らはおそらく見えない位置に。
まぁ、4人で話し込んでいるから見える位置だとしてもあまり関係はないが。。


その後どうするかと思いきや、トースターでチーズを乗せて焼かれたパンを器に浮かべていた。。。。


はい。出来上がり。お待ちどうさまー


と無事に席に運ばれた。



そこそこの金額をとるビストロやレストランなら
メニューに書かれているものはほぼ、自家製だろうが
(自家製と思いたい)
街のカフェクラスとなるといささか怪しい。

本日の定食や季節柄よく出るメニューに関しては
仕込んでいるかもしれない。

しかし

今回のような季節外れのメニューの場合

たくさん仕込んだ所で採算がとれないものは
インスタントに頼らざるを得ないのかもしれない

冬ともなれば自家製にするカフェも出てくるだろう

ガイドブックや人のブログなどで

パリに来たらオニオングラタンスープは外せない

と書かれていることも多い

5ユーロくらいで、美味しければインスタントやレトルトでも許す
しかし、それ以上の金額なら考えものだ。



上記で紹介した鴨のコンフィ

時間もかかる面倒な料理だ。
低温のラードに5〜6時間、じっくり火を通していく。
実際に自家製でつくるとすると10ユーロでは出せないと思う。
※材料単価ではなく、手間賃的に

なぜ10ユーロで出せるのかというと、ほとんど
レトルトか缶詰なのだ

それを温めて、フライパンでカリカリに皮の部分を焼くだけの手間

でも安いし美味しいから許す



フランスのいろいろな情報が見られます

にほんブログ村 旅行ブログ フランス旅行へ

2 件のコメント:

  1. ぬくたんママ2012年10月9日 8:13

    そうだよね~と思いながら記事読ませてもらったよ。

    そこそこのお値段でインスタントは無いよね・・・。
    でも、本人達は知らないで良かったかもね。

    だってきっと楽しみにしていたフランス旅行、お店に入って、フランスで食べる料理を楽しみにしているだろうしね。

    鴨のコンフィ、私も本屋で料理本立ち読みしている時に
    「こんなに手間のかかる料理なんだ~」と知りました。
    カフェで10ユーロぐらいのものは、レトルトとかなんだね。
    そりゃそーだよね。

    でも、安いし美味しいから許す・・・に同じく1票!!

    返信削除
    返信
    1. 前にこちらのドキュメント番組で見たんだけど、業務用のレストラン総菜を扱うお店で冷凍されたいろんな食材を中堅どころのビストロやレストランも利用しているとか。。それに料理の仕事をしている友人いわく、パリのセーヌ川某クルーズ船のディナーもほとんど出来合いだとか。実際に働いている人が言っていたのだから本当だろうね。
      でも、冷凍技術があがって手作りと遜色なく美味しくなっているという証拠だね。私は美食家でもないし、ひねくれたこだわりもないから美味しければいいやって思っちゃうけどね。
      実際目の当たりにはしたくないが(笑)
      ただ単に満腹になればいいのなら、安くて早いファストフードでもいいけど、レストランの金額って、料理はもちろん、その場の雰囲気や癒しの時間すべての金額だと思うようにしているよ。

      削除