テレビ、ラヂオ好きの父が何かの番組で
「目黒にある、昔、吉田茂とか皇族が住んでいた家が改修工事されるからその前に一般公開しているらしいよ」と言っていたので、早速インターネットで調べてみると
東京都庭園美術館
がヒットした。
調べると、普段は美術館として公開している部分もあるのだが、全面改装のため10月いっぱいで閉館してしまうとのこと。そのため特別公開展となっていたのである。
その名も「アールデコの館 東京都庭園美術館建物公開」
ヨーロッパでも歴史的に価値のある遺産建物は年に1回公開されるが、そんなイメージを持って行ってみることにした。
ちょうどそのあたりに出かける用事があったので、同じく東京に帰省中の友人を誘って行ってみた。
アール・デコ。漠然とよく聞かれる言葉だが、実際は「何のことやら?何かヨーロッパのハイソな雰囲気を持つ言葉のような感じ」と思う人も多いと思うし、実際私も昔はそう思っていた。
Arts(アール)=芸術 Décoratifs(デコラティフ)=装飾
この二つの言葉を短縮して「アールデコ」。現代装飾ってことなのである。
この言葉が出来たのは1925年パリで行われた現代芸術と産業芸術の博覧会のときで、その当時にもてはやされた直線的なデザインだとか幾何学模様、合成樹脂など新材料で建物を装飾したという系統が大流行して流れ流れて日本へもやってきたのだ。
同じような言葉にアールヌーヴォーという言葉がある。これは今までフランスの建築では石が中心であったのに対して、新素材として鉄やガラスを多用し、さらに優美な曲線を描いたデザインの建築様式のことを言う。(ヌーヴォーは新しいという意味がある。)
薀蓄はこの辺までで、この館の初代の持ち主「朝香宮家」である。パリに軍事留学していた際、この博覧会を見て感銘を受け、フランスと日本の匠の技が光るこの住まいが完成したのである。
平日にもかかわらずチケット売り場は大行列。前売りチケットはすでに売り切れていたが、ネットでもチケットが購入できたので買っておいて正解。
建物正面入り口を入ると、すでにカオス状態。
美術館=ゆっくり回るという法則が覆された。
館内は和洋折衷で、どことなく昔の結婚式場だとかピアノの発表会の会場みたいな雰囲気もある。ライトや暖炉カバーも少し懐かしいようなデザインだ。
部屋全体も素敵だが、ところどころにあるオブジェに魅力を感じる。
踊り場にある電球カバー
温室にあるお湯の出る蛇口
南側に面した通路ではイタリアの白黒大理石の市松模様の床が今でも斬新さを保っている。
同じく南に面した温室。
敷地内には広い日本庭園と西洋庭園が広がっている。
都会のど真ん中にもまだまだこういう良いところが残っているのだ。
ほんとに、すごい人の多さだったね。
返信削除私も静かな空間をゆっくりと見てまわるというイメージだったから・・。
それにしても、お部屋の装飾は素敵だったね。
私も、平日だったし、のんびり拝見できるかと思ったよ。
返信削除メディアを通した宣伝効果があったのかな。
部屋の装飾は和洋折衷でなかなか良いデザインだったね。