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2012年1月5日木曜日

覚書 学習会

クリスマス会のお呼ばれがあるわけでもなく、年越しパーティのお誘いがあるわけでもなく、正月におせちを作るわけでもなく、今年度は常に移民局がらみの課題をこなしてきた。

そして、年明け早々、おとそ気分も抜けないままに「移民が受けるべき課題」のラストformation civicという「フランス市民講座」に出席してきた。

この講座は朝9時から夕方17時まで丸一日行なわれる
フランスの歴史からスタートして、政治、憲法、市民権、裁判制度などをフランスの「自由・平等・博愛」という標語を軸にして展開・解説。そして「フランス国籍を取るには」で締めくくられる。

朝まだ暗い8時45分、すでに受付の行列ができている。
受付の際、ランチは魚料理かサラダか聞かれ券をもらい、講義を受ける部屋を指定される。
この日は、クラスに25人くらい。全部で3クラスあったようだ。
国籍は多様多種。アフリカ系、南米系。アジア系は少なかった。



午前中は中世ヨーロッパ時代のフランスから現代フランスまでの講義を受ける。
世界史で「テストのためだけに暗記した内容」やナントの勅令などなど、私の頭の中は高校時代にタイムトリップしていた。

約1時間30分に1回の割合で「カフェ・ポーズ」があり、職員の方がコーヒーや紅茶を振舞ってくれたので思っていたよりは退屈でもなかった。

ランチは、講義をしてくれている職員の方が先導して近くにあるレストランに皆でぞろぞろ向かう。
ランチは機内食みたいのを想像していたので、意外な印象を受けた。これらはすべて無料である。

午後は市民権や法律、政治などについての講義だ。
私達に直接かかわってくる法律や権利は知っていて当然なのだが、政治になるとサッパリ。
多くの日本人が政治に興味を失っているのと同様、私も日本にいる時から政治の話題にほとんど関心を示したことがなかった。
フランスでは朝や夜のニュース番組では政治の話題に重点を置いているし、若者でも政治に関心を持つ人は少なくない。
他の国の人たちはどうなのだろうか?
この講義は職員の人が、私たちに「これはどういうこと?」「これ知っている人?」と何かと質問をふるのだが、もともとフランスの植民地だった北アフリカのマグレブの人たちの発言の頻繁なこと!
何でそんなこと知ってるの?と何度思ったことか。


男女平等の話しになり、ひとつ印象的だったのが、「フランスの家長(日本で言う戸籍筆頭者)は必ず男性である ウィかノンか」という質問で、やはりマグレブの男性が
「それはウィだ!」と言い張る。
クラスの中でもマグレブやアフリカ系男性は「ウィだ」という。他の人はノー。
言いだしっぺの男性は裏づけとして「婚姻届を出すとき、役所の人が筆頭者は男性と言った」と証言する。
ところが、この答えはノー。「男性」と決め付けてしまうとそれは男女平等ではなくなってしまう。それよりもその家父長制というもの自体すでに廃止されているとのことだ。

しかし、彼は引き下がらない。「いやいや、役所の人が言ったんだ!」
職員は「役所の人が市民法典読んでないんじゃないか?権利では男女平等だから男性じゃなくてもいいんだ」
こんなくだりが10分くらい続いて、視察に来ていた移民局の人も困った顔。
結局、職員がうまくまとめて次の話へ続く。


講義の最後は、フランス国籍の取り方。
ま、いろいろな条件があるが不可能ではない。日本が二重国籍を認めるようになったら考えますか。

2 件のコメント:

  1. ぬくたんママ2012年1月7日 6:23

    無料の食事(しかも、機内食のようなものでなく)
    とは、太っ腹だね~。。 

    レストランでの、家長の話し。 
    熱く主張しているマグレブの男性がイメージ湧くわ~。

    それにしてもいろんな国から来ているんだね~。

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  2. 食事は出るのは知っていたけど、お店に行くとは思ってなかったよ。味はイマイチでしたが、無料はいいね。(まぁ、もともと高い税金払っているからそれくらはあっても妥当なのかも)
    家長の話は、レストランではなくて、講義中展開したんだけど、本当熱く語ってたよ(笑)
    フランスでは移民削減をかかげていてこれでも相当減らしているけど旧植民地からの人たちがやはりダントツ多いね。

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