カルカッソンヌは歴史的城塞都市として1997年にユネスコ世界遺産に登録。
フランスではモン・サン・ミッシェルに次ぐ観光客数を誇る観光地である。
個人的にカルカッソンヌに惹かれる最大の理由はヨーロッパ最大の城壁。それも2重!
城壁から見る景色はすばらしいのだ。
当時の城主は「ここから見られる景色のぜーんぶはオレの土地!」と言ったかどうかは定かでないが、やはり眺めが良いのは気持ちがいいものである。
ガイドブックには「夜景のライトアップされた城壁もまた魅力的」という文言。少し離れたところから夜景の写真も撮れたらいいなと思っていた。。。
観光地だけあり、ホテルの数はたくさんあるが城壁の周りではなく新市街のエリアだ。ここでは城壁まで行くのに歩いて結構かかるので城壁のすぐ下に風呂・キッチン付きの新しいレジデンスを見つけて予め予約をしておいた。
午後15時にチェックイン後、まずは街を軽く下見。
いつもは街の下見がてらカフェでビールを飲んで部屋に帰って昼寝。その後目が覚めたら20時頃夜ごはんを食べに行くという旅スタイル。しかしこの日は違った。
城壁の中にはレストランやカフェはたくさんあるのだが、下界に戻ってくるとほとんどない。天気雨でも降りそうな気配を感じ、食料品店でビールとおつまみを買って一旦部屋に引き返した。帰った途端「ゲリラ豪雨」が襲う。ビールを飲みながら持参したPCやDSにそれぞれかじりついて雨がやむのを待った。少し
だいたいどこで食事をしても最低1時間半はレストランにいる。この日も19時半くらいに入って、21時過ぎには出て帰ろうと思っていたのだ。
入店したときはすっかり雨も止んでいたのでテラス席は満席で中の席しか空いてないと言われ中の席で食事をしていたのだが、急にずぶぬれになった客が、ワインの入ったグラスを持って中の席に移動してきた。外を見るとまた雨が降っている。テラス席には雨・日よけパラソルがあるが、雨の勢いが強くて全くかさの役目を果たさず傘のふちから滝行の水が如しテーブルの上を流している(!)
テラス席の全員が中の席に移動してきたので、たちまち店内は窮屈に。
満腹になって、ワインでほろ酔い。さて帰りましょか。ここは城壁内のレストラン。下の宿まで帰るのに徒歩15分程度。整備されていない石ゴロゴロの坂道を雨ですべらないように気をつけて帰りましょう・・・
傘をさして歩く。ところがだんだん雨が強くなってきた。城壁の門の脇にまだ、雨にぬれないスペースがあったのでそこでしばらく雨宿りのつもりが、一向に雨が止む気配がない。私達のほかにまたレストラン帰りの夫婦がやってきて雨宿り。風雨が強すぎてもう濡れないスペースなんてない。とうとう雷までやってきた。
ここは「小高い丘の上に立つ城壁の町」雷はここに落ちずしてどこへ落ちる?私達は屋根のない壁際にへばりついて傘をさしているだけだ。
ちなみに、日本でクリーニングに出してきたばかりのお気に入りのジャケットを着ていたのに全部ずぶぬれ。全身ずぶぬれで寒くなって震えが止まらない。さっきのほろ酔いもすでに消え去った!
ガイドブックに出てきた「ライトアップも素敵です・・・」
頭をよぎる・・「ライトアップって雷のことですか?」
降った雨が滝のように道を流れ出したので、意を決して後から来た夫婦と一番近くにあったカフェへ猛ダッシュで逃げ込む。
上る階段も全部滝状態で水が流れるが早く屋根のあるところへ逃げたい。
あまりの恐ろしさに4人で笑いが止まらない。その夫婦はスペインからキャンプに来ていたらしい。
結局すでに22時も回ってしまったが、帰るに帰れない。帰る道はただひとつ、石がゴロゴロした坂道を下って降りる。タクシーなんて呼べないルートだ。
どれだけそこで雨宿りしたか覚えてないが、気持ち雨の量が減った瞬間に降りる決意をした。
降りる道すがらはリアル・キャニオニングだ。渓流の中を歩いているように。
雷も鳴っているので、走って逃げたいのだが、それができない。
なんとか城壁から脱出し、下の宿へ通ずる道へ出て一安心と思ったら、最後のトラップ。
道が水没。周りのアパートの住民は水かき。1階は床上浸水。消防隊員も出動して応援にあたっている。
道が水没してるのに渡らないと宿へたどり着けない・・。
近くの住民に話をすると「C'est pas grave」大丈夫って・・。
ここでも意を決して水没地帯を歩く。周りではゴミ箱がひっくり返っていたり、枯葉や小枝が散乱してまるで汚水。。いや、汚水でしょ。
ひざまで使ってなんとか水没地帯を脱出。やっと宿に帰ることができた。
どうやらほかの宿の人たちも同じ体験をしたようだ。
風呂で衣類や靴など洗う。次の朝までに無事乾くのか?
スーパーマリオの城なんて明るい感じをイメージしちゃいけなかった。
マリオの最後の城はなかなか手ごわいのだ。
明るいカルカッソンヌ編へ。
大変だったね~。 旅行って天気で大きく左右されるよね。
返信削除でも、きっと記憶に残る旅となったのは間違いないね!
私は子供の時よりも雷が苦手になったよ~。怖い。
それにしても世界各地でゲリラ豪雨が起きたり、地球の環境も変わり続けているから心配だよね。
雨があまり降らない地域だっただけにびっくりしたよ!中途半端に降られるよりよかったかも。笑うしかないみたいに。
返信削除東京みたいに高層ビルが林立している場所の雷は大して恐くないけどなにもないところで起こるのは恐怖だよね。。
そういえば昨年アヴィニヨンに行ったじゃん、その数日後に大雨が降って大洪水しちゃったんだよ。9月初旬の南仏は突発的にあるのかな?