パリまでラスト350km。
その途中で行っておきたい場所がある。
山の中、雲の中ひたすら走る。
一般道はひたすら両脇に牛を見ながら走る。
ディジョンから60km離れた山奥の山の上にある古い村「Fravigny-sur Ozerin」フラヴィニー・シュル・オズラン
実はここも2回目。
前回は2年前の年末、どんよりとした雲が立ち込め、第一村人が「ネコ」。
ほとんど人に会わず、ひっそりとした印象だった。
ここがあの映画の舞台とは・・
私の好きな映画のひとつ「ショコラ(ジョニーディップ&ジュリエット・ビノシュ主演)」の舞台になった村なのだ。
監督はフランスの古い村でさも閉ざされた印象のある村を捜し歩いてやっと「ココだ!」と見つけた場所がフラヴィニーだったそうだ。
※実際アクセスがあまりよくないが、村が閉鎖的かといえばそうではない
映画の舞台ともなれば、公開当時観光客が結構来ていたかも知れない。しかし今やその面影もあまりない。建物はそのまま残っているが、日本のように「映画になぞらえた名物もの」や「映画に関した土産」などは売られていない、第一作ってない。
ポスターがひとつ古い商店のガラス戸に貼られていたので「この村で撮影があったんだ」と思うくらいで、そのポスターはすっかり色あせている。
前回来た時は年末ということもあって、店などはすべてやっていなかった。
ここはフランス国内だと違うものでその名を馳せている。
「アニスのボンボン」
※アニスは日本ではインド料理屋で最後に口直しに出てくる小さな粒というか種みたいなもの。そこに何重にも砂糖を重ねて丸く仕上げたものがアニスのボンボン。
フランス版金平糖といったところだろう
これはフランス国内ではどこのスーパーでも見かけられるアニスの砂糖菓子。
フラヴィニーにある修道院で作られたものがはじまりで、今も実際に修道院の敷地内にさほど大きくない工場が併設され、そこから全国、そして諸外国にも出荷されているのだ。
日本にも輸出しているそうだ。(おそらくソニプラやカルディの類に売られているだろう)
ホームページに「午前中のみ見学可」という文字を見つけたのでさっそく行ってみた。
午前9時から10時45分の「限定1時間45分間の間」に来られれば見学可能だ。
10時少し前に到着。
前回は修道院も工場もブティックも閉まっていたが、今回はちゃんと人がいる。
ガイドツアーなのか勝手に入って良いのかわからず現場の白衣のマダムに見学したい旨を告げると、「修道院の中に若い子がいるからその子が案内してくれるわよ」とのこと。
数組の定年より上の夫婦がちらほら集まってくる。
全部で7名見学スタートだ。
簡単にアニスの歴史や製造工程を聞く。ここまでは撮影OK。
次に衛生帽子を被って実際の製造工程を見学。
※ほとんど髪の毛のないおじいさんも一応帽子を被る。。
製造工程は日本の金平糖を作っている様子と似ている。
高温の丸い釜がぐるぐるまわり、スプレーで溶かした砂糖や香料を吹き付ける工程を間近に見る。撮影はできない。
最後はお決まりのブティックでお買い物。
スーパーで買えるんだけど若干安いので3つセットを買った。
その後小さな食料品店の店先でコーヒーを飲み、ぐるっと村を1週。
あっという間に一回りできる。
帰りの高速道路上からパリが見えたとき、
「ああ、なんて都会なんだ!」と改めて思った。
街の規模がその他都市と比べ物にならないくらい巨大なのだ。
緑なんてないビル群の中にニョキっとエッフェル塔が見える。
あぁ帰ってきたなという安心感もある。
かつて東京に住んでいたころ、首都高から東京タワーが見えて
「やっと帰ってきた」という安心感と一緒だ。
今回はほぼ中央を南北に移動した旅。
それぞれの地方で美味しいものを堪能した。
まだまだ行ってみたいところは尽きない・・。
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返信削除長い夏の旅行記完結。
また日常生活のネタにもどります。